お客様から、不動産を相続される際、単独所有とするか共有名義とするか、よく質問を受けます。
不動産業者からすると、単独名義の方が楽です。
意思決定が早く、契約当事者も1名ですので、売買契約から決済までスムーズに進みます。
ただ、売主様目線で立つと、共有名義の方がよい場合もあります。
例えば兄弟間で相続する場合、長男を単独名義とし、売却代金を他の兄弟へ振り分けるとなると、所得税等の税金負担が兄弟間で異なってくるので、均等に分配しても、最終的に残る金額は同じ、ということにはなりません。
ですので、兄弟間での税金トラブルを避けるには共有名義の方がベターです。(詳細は税理士へご質問ください)
相続人が5人いて、売買契約に立ち会うのが難しい!というような場合でも、代表者を一人立てて、その代表者への委任状及び印鑑証明書があれば、ご契約にお越しいただくのは1名で済みます。
私がアドバイスさせていただく場合、相続後すぐに不動産売却を検討する方は共有名義、長期的に保有したり、売却をそもそもしない場合は単独名義の方がよい、と基本的にはお伝えいたします。
共有名義の一番の問題点は、売却やアパート建築等、相続人みなさまで調整する必要があるときに、反対する人が出現したり、相続人の死亡等で相続人が増加したり、被後見人となって後見人が反対したり、様々なリスクが発生し、最終的に有効活用できない不動産となる可能性がある点です。
そのため、不動産を相続する前に、相続される皆さまで不動産業者や税理士、司法書士等の専門家にアドバイスを聞き、方向性を定めておくことが重要です。
共有名義はメリットもありますが、安易に共有とすると、後々のトラブルを生むタマゴにもなりかねません。
ご注意ください。